綾瀬

綾瀬。なんて可愛い響きだろう。
この前仕事で綾瀬まで出かけたんだけど、なんつーか、可愛い。綾瀬って可愛い。これは、東京ばな奈以来の、名前惚れである。
綾瀬に引っ越そう、と本気で決めた。こういう変な決断は早い。電車乗りながら、あ、引っ越そ、と思った。
あの店に寄るまでは。
仕事を終えて、駅に向かっているとき、「はやい! うまい! カレー」の看板が。あのー、カレーの看板を見たら、とりあえず入るんですよ。俺。で、入ったんですよ。綾瀬のカレーを見せてもらおうじゃないか。
ホントにすぐカレーが出てきた。え、何で何で? ああ、そうか、ずーっとコトコト煮込んでたのか。や、でも、それじゃあ朝と夜で味にムラが出来るだろ。具だってどっか行ってしまう。この問題を、この店はどうやってクリアしていると言うのだ? きっと、何か、秘密が……。
と、舌に全神経を集中させ、一口。
ふざ、けるなー!!!!!!!!!!!!!!!!
カレー・オブ・ボン じゃねえか!!!!!!!!!!!!
カレー・オブ・ボンを保温してんのか。そうか。だから早いし安いのか。ふうん。店たためよ。
こうして、綾瀬への恋は、終わった。