ザ・ショートフィルム!
- 出版社/メーカー: エムスリイエンタテインメント
- 発売日: 2005/08/24
- メディア: DVD
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果たして、おもっしろいなあ。映像についてはプロがやってるから、まあ視聴に耐えうるのは当たり前で、この作品集の見所というか新人ならではのとんがっているべきところはストーリーになるわけで、以下、ストーリー重視で思ったことをいくつか。
- Run-ing
- ええと、いきなりストーリー以外についてなんだけど、映画にしてはなんかものすっごい耳障りな音がするのが気になった。オーケストラヒットがどっかんどっかん。それから、まあ終始コミカルな感じで進むんだけど、結局何がしたかったのか、よくわからなかった。これがグランプリのシナリオ? それとも、映像化したときに、すばらしいシナリオを駄目にしてしまったの? それとも、これを駄目という俺が駄目なの? チーズはどこへ消えたの? と、どこで駄目になったか、と考えたんだけど、うーん、まあ、元の脚本が読めないから分かる筈もなく。ちなみに、大滝純監督作品。大滝純氏って、PENICILLINの! こんなお仕事していたんだ。すごいなあ。知らなかった。あと、エンドロール見直したら音楽、O-JIROだった。あー、だから自己主張する音なんだ、と何故か納得。
- 自転少年
- いっつもぐるぐる回る癖を持つ男の子を主人公に据えた時点で、もう、勝ちだよね。終始、こういう、シュールだけど現実と糸一本でかろうじて繋がっているような世界観と言えばいいのか、ふわりふわりとした空気で進むのも、気持ちがいい。多分、書いた人、ショートフィルム大好き人間なんだろうなあ。最後も、シュールでかつ含蓄のある、小気味のいいセリフで終わる。ザ・ショートフィルムと言うべきシナリオだなあ。多くの謎についてすべてを処理する気は端から無いんだよね。限られた時間内で、視聴者の気持ちを、良い方に持っていければ、それでいいんだ、という。ちなみに、深川栄洋監督作品。
- 巡査と夏服
- ああ。俺こういうの弱い。分かってても、じんわり来る。最後の風鈴の細工もずっるいし、こういう抜け目のない作品を書ける人は尊敬するなあ。主人公の彼女の演技がちょっとアレ、とか思ったけど、なんか、許せた。俺はね。ちなみに、斎藤玲子監督作品。あと、主人公はシャカの大熊啓誉。同郷の設定なのに、大熊さんが関西弁で彼女が標準語なのはご愛嬌。
さて。
「Run-ing」は元の脚本がどうなっているのか全く予想がつかないからノーコメントだけど、「自転少年」「巡査と夏服」は、紙で読んでも面白い、すっごい良いシナリオなんだろうな。良い。というかこの映画祭が良い。どうれ、素人さんの脚本とはどんなもんかね、と鼻くそほじりながら見ようと思ったら、うっかり泣いてた、という、やられた感。