昨日と今日の境目って何だろう

きょうのできごと プレミアムセット [DVD]

昨日から今日にかけての、なんかうすらぼんやりした部分を淡々と綴る。
あのセリフがいい、とか、あのシーンがいい、とか、そういうのじゃないなあ。昨日から今日に移るときのいろいろなんかこう正負入り混じった感情をそのまま再現していろんな切り口から見せられる感じ。アメリカ南部をセットでそのまま再現しましたー、とかいうのと同じで、「誰もが経験したことあるけれどとってもくすぐったい感覚を呼び起こすための設定」を再現している。しかもそれがすっごい巧い。そこには特に分かりやすい主題が通っているわけではなくって（例えばここで登場人物の誰かが「どんな日でもね、次の日はやってきてさあ」とか言い出したら、途端に萎えると思う）、大事なのは、そういう、空気感を作り出すことなんだよ。あとは、観客を馬鹿にせずに、観客の想像に委譲している。や、そういう意図があるかどうかは知らないけど。
何かを押し付けられると途端に説教臭く感じてしまう僕らに、何かを押し付けることなく伝える方法がとても巧い人だなあ、と思った。やあ、それもバランスでさ、この感じを、「何が言いたいのかよくわかんない。何の事件も起こらないし眠くなる」と言う人も居れば、「まだ言いすぎだ。もっと無口になるべきだし、各人の想像に任せるべきだ」と言う人も居るんだろう。
俺は、この作品のくらいが心地良い。もし俺が作品つくる立場に居たとしても、ちょうどこのくらい喋るんだと思う。好きな映画暫定１位。