息の仕方を知っているなんて奇跡だぜ

アイデン & ティティ [DVD]

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素敵な生き方見つけ映画。ロックをこよなく愛する中島が、自由に生きるまでを描く。この映画の何がいいって、中島を支える彼女の発言が、いちいち、「何かで立とうとする男」の心をくすぐるのだ。バンドブームが去り、世間に相手にされなくなった中島への言葉。
「私は、えらそうな言い方をさせてもらうと、そんなファンよりもっとレベルの高い、君自身のファンよ」
まあ、もうちょっとなんか、月並みでなく心に残る言い回しは無かったのかね、というアレは置いておいて、突いてるところが、良い。
何かを生み出す「彼」と「彼の向く方向」が、彼の生み出すもののすべての源流なのであって、彼の一番誇りなんだ。つまり、彼自身が作品なんだ。そして、そのことにとっくの昔から気づき彼そのものに敬意を示す彼女に対し、彼の一言。
「君は、本当にすごいよ」
才能を愛して欲しい、ってのはすっごい男目線な考え方だろうけれど、原作のみうらじゅん氏にとって、これが理想の男女像なんだろうなー。あー。