ひまわり [DVD]

ひまわり [DVD]

今度は麻生久美子でさかのぼってみる。これ、まだ見てなかったので。
節々に、コメディ要素が入ってる。入ってるんだけど、メインのストーリーが重いだけに、なんというか、たまにイライラした。だってさっきまですげえ心の襞をなぞるような重いシーンだったのに、次のシーンで急にふざけられても。俺のフットワークが重いのかなあ。
要するに、初恋しっとり映画と、葬式ドタバタコメディ映画をパラレルで鑑賞しているような気分になった。
でもそこで終わってないのがやっぱり凄いところで、最後のシーンは、両方の要素がぴったり重なるんだよなあ。初恋しっとり映画、葬式ドタバタコメディ、どっちの映画でも、このラストは合う。これしかない。ここのしっくり感が芸術的で、これを見せたいために、行定監督はあえてタブーに挑戦しているのだ、と良い方に解釈した。や、面白いよ、これ。
それから、「初恋しっとり映画」部分は、「世界の中心で、愛をさけぶ」と共通点がとても多い。学校で昔の記憶が重なるシーンとかね。主人公が小学校の玄関をうろうろして、それを構内側から撮るの。主人公がうろうろすると、平行してカメラもゆっくり移動するんだけど、必然的に、下駄箱がカメラの前を何個も横切って、画面が一瞬真っ暗になる。下駄箱の威圧感。ああ、そういえば学校って意外と暗かったっけなあ、というのを思い起こさせる。確か「世界の中心で〜」にも在った、とても印象的なカット。