草の上の仕事 [VHS]

草の上の仕事 [VHS]

草刈職人とバイト(爆笑問題太田)が1日草を刈る映画。なんだ、ずーっとブィーン! って言ってるので、携帯のバイブが鳴っても分からない。映画が終わったらメールが4件来ててあせる。
なんつーか、ロールシャッハテストのような映画。受け手によって、明るいか、暗いかすらも、違うだろうなあ。
俺は、暗かった。手際のいい草刈職人と、なんかどんくさく、何考えてるか分からない現代っ子風のバイト。映画の前半は、バイトの手際の悪さばかりが強調されていて、男らしい草刈職人 > 駄目バイト、という関係。まあ、相容れない二人なんだけど、休憩のたびに、だんだん、話をぼそぼそしだすんだよね。で、最後の方で、エロい話しだすんだよ。草刈職人は、小さい頃、幼稚園の先生の足首で勃起した話をする。バイトは、鉄棒で回転している女の子を襲う話をする。
「回転する女の子と、同化したかったのかもしれない」
大田さん本人が言いそうでもあるアレなんだけど、もう、なんだろ、エロ勝負、完全に、バイトの勝ちなのよ。こう、深さというか、味というか、完全にバイトの勝ちなのよ。バイトのエロトークに対して、草刈職人は「変態だな」と「へぇ」しか言えていない。だんだん、草刈職人が、ただ草を刈るのが上手いお兄ちゃんに見えてきてしまう(後半はバイトが大きく映るようにに撮っているので、製作側にもそういう意図があると思うんだけど、どうだろう)。最後なんて、草刈職人が「明日も来るだろ?」と言うと、バイトは「俺、今日だけなんすよ」と。やるせないよ。
やあ、俺が勝ち負けのパラダイムで物事を見すぎるのがいけないのか。とても暗い気分になった。良い。