ワンダフルライフ
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2003/03/28
- メディア: DVD
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という、まあ、そういう架空の施設の1週間を描いた作品。ディズニーランドでの思い出を選びそうになる女の子(あとでそれが薄っぺらいことに気づいてやめる)もちょっと面白かったけれど、この話の核になっているのは「これといって思い出が無い」と最後まで悩むおじいじゃん。
で、結局、奥さんとの公園でのたわいもない、でも温かいひとときを選ぶ、んだけど。その奥さんはもうだいぶ前に亡くなっていたので、施設の人があとからその奥さんの映像を探して見るんだけど、そこにはそのおじいちゃんは居なかった、という、一見悲しい事実なんだけど、まあ、見ていただけると分かるのだけど、それが、全然、悲しくないんだよ。
他人が選んだ幸せな記憶に自分が参加できたら、もちろんすっごいラッキーなことだけど、そうじゃなくて、本当に好きな人を登場させてあげることで、その人を幸せにすることができる。まあ、そういうことじゃないの。LOVE定額なんてのも一方通行でもどんどんやっていただけばいいんじゃないの。
あとは、伊勢谷君が「自分は1つを残してあと忘れるみたいなのはできなくって、そういう人生の責任の取り方もあるから」とか言って結局選ばないんだけど、結局、彼の問題提起は物語の本筋には何ら影響してこない、のは、まあ、いいのか(小説版もあるらしいので、そっちでなんか重要な役どころになっているのかもしれないけど)。
面白かったです。この監督は、DISTANCEの時もそうだったんだけど、たまに台詞がすっごいリアルで映画っぽくないから、そういう施設が本当にあってそこの密着ドキュメントを見ている錯覚に陥る。本当にあるんじゃねえか。栃木あたりに。